使って慣れましょう
- 2016/06/03 11:18
補聴器を初めて使うと、いろいろな音が聞こえてきてびっくりなさるお客様がいらっしゃいます。
聞こえにくくなった期間が長い人ほど、むかし聞こえていた環境音のことを忘れてしまいます。
環境音とは、室内であればエアゴンや換気扇の「ゴー」という音、屋外なら自動車の「シャーッ」という走行音のほか、「ピチピチ」という鳥のさえずりなどです。
一般の人はこのような音も必要な音で、聞こえていながらもそれなりに聞き流しているのですが、聞こえが悪くなるとこのような音が聞こえなくなるので、次第に忘れてしまいます。
そこへ補聴器をつけると、忘れていた音が突然聞こえてくるのですから、「雑音」という反応を起こします。
このお客様も補聴器の「雑音が多い」と来店されましたが、いろいろな音で試してみると、外から聞こえるクルマの走行音に大きく反応していることがわかりました。
雑音がイヤで、使っていなかったそうです。でも補聴器は使わないと耳になじみません。
そこでその音域の増幅度を少し落として、慣れやすい音質にしたのです。
でも完全に消すようにすると、本来の音質も悪くなりますし、難聴者にとっての「雑音」も一般の人は聞こえている「必要な音」なので、できるだけ使うようにして、多少は慣れて頂くように納得して頂きました。
このように調整を繰り返しながら、合わせていくのです。