泉佐野の商店街
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観音堂と観音堂大師講

 上町にある「観音堂」は、中世寺院としてあった檀波羅密寺として、江戸時代に再興されました。後に明治の廃仏毀釈によって消滅し、仏像や経文、それに山門などは、熊取の慈照寺に移されました。
観音堂と井戸が残されています。
「観音堂」の場所は、郵便局・警察署・商工会議所などのある交差するところに、約100m2(30坪)トタンで囲った小さなお堂があります。

■上町の「観音堂」


裏には、墓石・無縫塔など5基があります。
「観音堂」は、一間四方で、付属して3坪ほどの建物があり、畳敷きの部屋と台所がついている。正面の仏壇に、木造観音像、地蔵菩薩、弘法大師像が安置されている。

■観音堂内部の仏像
石造・地蔵さま「奉納井阪友太郎・大正七年七月二□」
石造・観音さま「中山寺」 
木札 「観世音菩薩」「阿弥陀如来」「大勢至菩薩」
木造 「観音さま」
石造 「弘法大師」
(後列に、石仏四体)


護持するのは、「大師講」で大引分(旧町名・おぶけ)の人達。
昔は盛大であったが、近年メンバーが減り続けていて、
今やわずか5軒の女性達で維持され、神仏を大事にしない現代風潮からか
その存続が危うくなっている。
地元の人々の精神的「心の荒廃」が、進まなければ良いのですが、 
・・・なんとか地元の支えで護持したい。と講を支える人達は言います。
毎月21日の大師講と8月9日の千日詣を大切にお守りしています。
ご参加の方は、当日、是非お参り下さい。


■観音様の水
 観音様の井戸は、隣家の塀が占領し、今は、埋め戻されてしまいました。
(平成14年)
この井戸は、ガマ井戸で綺麗な水が湧いていた。
水脈沿いには「銘酒乙女心」の蔵元・共和酒造や、
その下流には、道下用水(道下本家・26号線沿い)があり
そして、「この観音様の水」をふんだんに使う銭湯「大将軍湯」が営業している。
今でも、薪で炊いている名湯風呂である。

◆「名湯・大将軍湯」は、こちらへ
つばさ通り・上善寺前商店街から浜側に入ったところ明厳寺横で、営業している。


■観音堂の裏の、僧侶のお墓
「休常」「休吉」「高大」他 墓石 5基


■観音堂 大師講の屏風
クリックして拡大できます▼



<里謡>
   「おぶかけ しぶかけ 観音堂 
    一の大将は、上善寺(観音堂がある)十八日が御命日」

<大師講>
:毎月二十一日<お勤め>
毎月二十一日 お大師さんの日に、お勤めをします。
会費は徴収せずに、当日自分たちで、お供えします。
ご詠歌西国三十三番と般若心経を上げる

 昭和45年ごろまで、かやくご飯と煮しめを炊いていた。
観音堂の横に井戸があって、下中清次郎さんの家が農家だったので
米を運んで世話をしてくれた。
昭和六十年代まで旭町(どんど川沿い)下中清次郎(しもせ)さんが
大師講胴元をしてくださった。

「代々おぶけの人たちで、祭って欲しいと」言い伝えられてきた。
講のお世話は、一年交代の当番で、二人づつで組んで行います。
お花を供え、水を替え、掃除をします。

■「講」を支えて下さった人達
   藤松ソノ(織や)中村ヤスエ(農家)明山ヨネ(米穀)番匠カツ(農家)
   番匠コマツ(農家)番匠ヨネ(農家)番匠リエ(農家)木下シゲ(農家)
   矢倉もじろうの嫁(農家)熊取谷アサ(あさじ・タバコ菓子)
   下中清次郎・トキ夫婦(農家)。
   特に、下中夫婦は、講元として中心となって勤めてくださった。

■現在、講中は、次の方々です。
  西川数枝(上町 83歳)番匠キミコ(大宮町 78歳)明山サエコ(大宮町 74歳)
  番匠すみえ(上町 71歳)中村京子(大宮町 66歳)

■講の皆さん
 <写真> 後ろ 中村京子   明山サエコ
      前  番匠キミコ  番匠すみえ


■堂内にとどめる名前(ゆかりのお家)
  藤松・中村・明山・番匠・木下・矢倉・熊取谷・下中・西川・中村・
  池野・大工・大引・清原・高野・中谷・笹野・休井・東・新川・
  高松・古谷・神藤・小川・松藤・道明・山出谷・土井・宇賀・坂上・
  長滝谷・車野・伊沢・筆谷・松浪・新田谷・兎田谷・山中・吉川・山中・
  畑・袋谷・大野・枡田・道下・刀谷・田端・樫井・野沢・
  久野・山口・山崎・菊・大道・岡部・藤田・九条

■「観音さま」を、お守りくださる方々を募っております。

 お世話いただく方は、高齢化し、人数も少なくなりました。
心豊かな生活と地域の発展、そして子孫繁栄を心から支えて
くださる観音さまを大切にと考える方にお願いしたいと思います。
心静かな余生のために、是非、勧進をおすすめします。

■大師講の千日詣
8月8日 観音堂を清掃し、阿弥陀仏ご来迎の屏風を飾ります。
8月9日 お供えをします。
阿弥陀仏ご来迎の屏風の前に、
赤飯を炊いて高野豆腐・椎茸を供えます。
  8時半
観音堂を開けて、準備をします。屏風立ててお供えをします。
  10時
ロウソクに明かりをつけます。
「御詠歌西国三十三番」「般若心経」をあげます。
  12時
昼飯「赤飯」「冷やっこ(生姜・青葱・鰹節)」でのお食事。
  3時
戸締りをして解散します。

●屏風のご利益
この屏風は、雲が、浮きます。
この前に座るとあなたは天井人、雲の中にいます。
観音様が、何かをあなたに授けてくださることでしょう。
お参りして、ご利益授かった話を聞きましたか。

■屏風前の講中
□クリック屏風大

資料:百人の佐野物語代三十集・街の信心
  「観音堂と子安地蔵堂の話」 聞き書き 北山 理 
  <泉佐野の歴史と今を知る会 資料集66集>